寒風吹き荒れるチャイコフスキー 名匠バーンスタイン生涯唯一のチャイコフスキー全集

100年、1000年遺る名曲。

100年後に聴いても楽しいアナログレコード

バーンスタイン生涯唯一のチャイコフスキー全集

D3S 781 バーンスタイン チャイコフスキー

同時期のマーラー全集と並び、ニューヨーク・フィル時代のバーンスタインの熱さを刻み込んだのが、このチャイコフスキーの交響曲全集です。

バーンスタインは米CBSでチャイコフスキー全集を完成しているが、「第4番」だけはそれに先駆けた別録音が存在した。

バーンスタインは米CBSでチャイコフスキー全集を完成しているが、CDでセットに選ばれているのは再録音の方ですが、「第4番」だけはそれに先駆けた別録音が存在した。
本盤は1969年発売のLP3枚組のセット(Columbia Masterworks D3S 781)。いかにもバーンスタインらしいエモーショナルさが随所に確認できる演奏で、全体的にゆったりしたテンポを基調としながらも、ノッてくるとテンポを自在に動かす「らしさ」は予想通り。それは第1楽章と第4楽章に顕著に表れる。ディミトリ・ミトロプーロスと首席指揮者の座を分け合った後に音楽監督としてオーケストラの全責任を担う事となった記念すべき時期の記録
録音は、1958年9月の交響曲第4番を皮切りに、1960年の第5番、1964年に第6番『悲愴』が。時をおいて、1970年に初期3曲が録音され、更に下って1975年の第4番の再録音で全曲録音が完成しています。
いずれもこの時期のバーンスタインらしい、作曲家としての複眼的視点で緻密にアナリーゼされた解釈をもとに、音楽の喜びを全身全霊で伝えようとする情熱に満ちています。金管や木管パートに名手をそろえた当時のニューヨーク・フィルハーモニックのパワフルなサウンドも格別で、それをアメリカ・コロムビア・レコードが誇る「360サウンド」が見事にとらえています。
特に1964年録音の『悲愴』では、アダージョで終わるこの特異な交響曲のフォルムを明快に表出しつつ、熱い情感があふれ出てくるのは、ニューヨーク・フィルと一心同体となったこの時期のバーンスタインならでは。作品の魅力をストレートに味わえます。

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